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2005-11-29

ノートの中のもうひとりの私

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これは映写スタッフの連絡ノートに描かれた私の似顔絵。私からの伝達事項を、ご丁寧にも顔入りで記入してくれた。

このノートに似顔絵があるという情報をキャッチして以来、気になって仕方がなかった。でも、「見たいから、ノートを持ってくるのだ(バカボンパパの口調)」とは言い出しにくく、考えあぐねた結果、映写室が無人になったスキに忍び込み、こっそり盗み見るという暴挙に出た。ついでに盗撮も!

トレードマークの防災頭巾みたいな蓬髪(カツラ疑惑も流布しているが、あくまで自前さ!)を強調しているところなんかは、かなり特徴を掴んでいて心憎いが、本人としてはあまり面白くない。二枚目に描かれていないから。それに心の奥底に秘めたノーブルかつラブリーな人間性が、ちっとも滲み出ていない! 悔しいから書き直してみた。映写スタッフに告ぐ。今後はこの絵をプリントアウトして使うように!

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2005-11-26

映画の後はフルコース

珍しく吉祥寺で、『マダムと奇人と殺人と』を観る。登場人物達に「奇人」振りを発揮させ過ぎて、ストーリーが遅々として進展しないところが、逆に楽しかった。

終わって、フレンチレストランで昼食。フランス映画の後だからというわけではなく、タウン誌のグラビアで紹介されていた、この店の仔羊の赤ワイン煮 ポルト酒風味がとっても美味そうだったから。パンとサラダとデザート2品のセットで1,600円というお手頃価格。

山盛りのベーコンとパルメザンチーズのサラダ、チョイ少なめの仔羊のメインディッシュを食べ終えたところへ、アメリのクレームブリュレとキャラメル何たらのデザートを運んできたウエイターが、「食後にコーヒーか紅茶はいかがですか?」と聞いてきた。私はコーヒーを所望したが、考えてみたらウエイターのこの聞き方は妙だ。ドリンクがランチのコースに含まれるのだったら、店に入って席に着いた時点で、「食後はコーヒー、紅茶のどちらになさいます?」と聞いてくるはず。「いかがですか?」だと、断る余地ができてくる。これは明らかにドリンクが別料金ということだ!

Photo_242つましい食生活を送っている身としては、たかだか400~600円の追加でもボラれたようで、何となく釈然としない。せっかくの映画『アメリ』にちなむブリュレも味気なくなり、私はトイレに立った。そうしたら、洗面台にカネゴンのフィギュアが置いてあって、その大きな口には店名を刷り込んだカードまで咥えているではないか! 何だか客の有り金を残らず食べ尽くす恐るべきぼったくりレストランに来てしまったような気がして、トイレの窓から逃げ出そうかとも考えたが、腹を括ってレジで会計を済ませたら、何のことない、やっぱり1,600円ポッキリ。当方の早とちりで、味といい値段といい、良心的な素晴らしいお店でした。

そこを出てから、しばしブラブラ。吉祥寺の街は雑貨屋が多い。旧近鉄裏の店では文庫本用の布カバー、東急裏の店では『アメリ』でも使われていたドイツの画家ミヒャエル・ゾーヴァの絵葉書を買った。そのまま井の頭公園でも散策しようと思ったが、今日みたいな気持ちよく晴れた晩秋の午後は人出も多くて疲れそうなので、電車に乗って国分寺で途中下車し、小川沿いの遊歩道を歩いた。

Photo_243Photo_249 ここは何の変哲もない住宅街と武蔵野の面影が共存している不思議な小径で、その昔、国分寺に映画館があった頃、観終わると必ず歩いた。映画と散歩をワンセットにすることは、ハイティーンの頃に愛読していた評論家K氏の著作の影響。当時は殆ど各駅ごとに映画館があり、見知らぬ街を映画の感動に浸りながらの散策は至福の時間だった。これは余談だが、先日、某社の方々と某所で飲んでいたら、カウンターでかのK氏が編集者らしき若い女性と談笑されていた。こちらの勝手な思い込みだが、氏のイメージとそぐわないような気がして、思わず目をそらした。

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Photo_255小径では誰にも行き逢わなかった。無人の露店で柿を買った。帰途、駅の近くの古本屋で均一本の棚をのぞいた。K氏の著作を探したが、見当たらなかった。ルソーの『孤独な散歩者の夢想』の新潮文庫を100円で購入。吉祥寺で手に入れたばかりのブックカバーをかけてみた。浅黄色の布製で、栞代わりに革紐が付いている。長く愛用できそうだ。

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2005-11-23

11月のクリスマス

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これは渋谷パルコ前にある、気の早いクリスマスツリー。

Photo_237_2サンタクロースが自分の元に来なくなって以来、クリスマスにはすっかり縁遠くなってしまった。それでもツリーだけは好きだ。毎年、この季節に夜の街を一人歩いていて光り輝くツリーに出くわすと、しみじみ美しいと思い、しばし見とれてしまう。

満天の星々が降臨したような眩いイルミネーションの下に佇んでいると、素晴らしい奇跡が私にも訪れるような気が。例えばこの場に『天使とデート』のエマニュエル・ベアールの如き美女が現れ、思わずディナーへ誘ってしまう私にニッコリ微笑み返すと、腕をからめながら寄り添ってくるとか。

そうなったら行きつけの日高屋はなまるうどんでは、せっかくの奇跡が台無し。せめてサイゼリヤでイタリアンでも・・・。

どんな時でも安くあげることばかり考えてしまうのは、奇跡とは無縁の日々が長い私の悪い癖だ。ああ、今年のクリスマスこそ何か良きことが起こりますように!

2005-11-21

私の頭の中にも消しゴム

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来年のダイアリーが2冊。先月買っていたのをすっかり忘れて、昨日また買ってしまったから。

物忘れもここまでくると重症。そんなわけでシネクイントにだって、ありとあらゆることを片っ端から忘れてゆく大ボケ支配人と、それを懸命に支えるスタッフ達という、涙なくしては観られないドラマが日々繰り広げられている。

2005-11-18

つきせぬ想い

五反田で試写の後、ランチ。

この日、どこで何を食べるかについては、試写の場所と時間をスケジュール帳に書き込んだ1週間以上前から、すでに私の中では決定していた。それはグリルエフタンシチューさ。

この決定を阻止すべく、別の店を提案する不遜な輩がもしも現れたなら、容赦なく張り倒すぐらいの意気込みで、JR五反田駅に降り立った。この日、私が殺気みなぎっているように見えたとすれば、頭の中でタンシチューがグラグラと煮えたぎっていたからに他ならない。

私がタンシチューの素晴らしさに開眼したのは、この店で食べてからだ。それまではタンといえば、焼肉屋の「タン塩」しか知らなかった。逆上ること6、7年前のある日、やはり試写の後にこの店でタンシチューをご馳走になった。どこの配給会社のどなただったのか、すっかり忘れてしまったが、このとろけるように柔らかいタンシチューに文字どおり舌がとろけてしまった体験だけは、いつまでも忘れることができなかった。以来、自腹・他腹でいろいろ試したが、どれも今ひとつピンとこない。記憶の彼方のグリルエフタンシチューの良さは、そのボリューム。大きなタンが2枚、焦げついたような独特の風味のデミグラスソースに浸って、デーンと皿に鎮座している。それをナイフとフォークで切って口に運ぶと、たちまち舌の上でトロトロと溶けてしまう醍醐味といったら、ああ・・・。

Photo_228 試写が終わり、幸いなことに誰一人私に逆らう者もなく、蔦に覆われた古風でロマンチックな洋食屋グリルエフに直行することができた。ついに、あのタンシチューに再会がかなう! だが、予想だにしなかった悲劇が、私を待ち受けていたのだった。

「いらっしゃいませ」と注文を聞きに来た可憐なウェイトレスに、私はタンシチュー!」と明るく元気に答えた。すると、彼女は「今は、やっていないんです・・・」という耳を疑うような言葉を、タンが絡んだようなカスレ声で返してきたではないか!

同行した他の全員は、牛タンを扱わないことをあたかも当然のようにタンタン受け止めていたが、新聞もろくすっぽ読まず、昨今の流通事情に疎い私には、なぜタンシチューをやめてしまったのか、まるで理解できない。でも、ないものはないのだ。気を取り直し、一同に倣ってビーフシチューを注文。もちろん、こちらも牛肉をとろけるように煮込んであり、独特の焦げついたようなデミグラスソースの風味も存分に堪能できた。しかし、何かが違う! 

Photo_230 ←これが問題のビーフシチュー 2,000円也

ボリュームの点で物足りなかった? いや、そればかりではない。最大の元凶は、今も奥歯に挟まったままの牛肉のカスだ!

脂肪分の多いタンでは絶対に起こり得ない、奥歯にはさまったままのビーフシチューの牛肉の繊維が、口の中で妙な異物感、いや果たせなかったタンシチューへの断ち難い未練を、いつまでもいつまでもタラタラとかき立てているのだ!

Sn290014タンと連呼したついでに、今日から首に巻いている〈タンタン〉のマフラー。私の冬の定番です。急に寒くなりましたが、風邪をひかぬよう、ご自愛くださいませ♪

2005-11-17

猫町

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青梅の小路に、月~金の朝夕限定で姿を見せる白い猫。

子供が大好きで、小学生達が通りがかる時間を見計らったように現れて、かまってもらう。学校に遅れそうになった子供達に「またね!」と告げられ、置いてけぼりを食らうと、鳴きながら後を追ってゆくが、自分の縄張りが決まっているらしく、ある横道に差しかかると行儀良く前脚を揃えて、名残惜しげに見送る。絶対に一線を越えないところが犬と違う猫たる所以か。

今朝の出勤途中、この猫が道端でじっと私を見つめていた。小学生達はとっくに登校してしまった時間だったので、母親に手を引かれて幼稚園へ向かう、もっと小さな子供達を待っていたのかもしれない。私は大人なので今まで遠慮していたが、周囲に誰もいなかったので「お早う!」と猫に声をかけてみた。そしたら、「ニャー!」と叫んで私の足元に突進してきて、まとわりついたまま離れようとしない。人懐っこい奴だ。きっと人間からいじめられたことなんてないのだろう。猫への虐待の話はよく聞くが、この町はそういった心ない輩とは無縁のようだ。

Photo_192Photo_204 それは青梅みたいな田舎には、お年寄りが多いせいもある。猫は溺愛の対象。そのせいか、町のあちこちに猫のオブジェが溢れている。そういえば詩人の萩原朔太郎に『猫町』という印象的な短編小説があった。つげ義春もその小説にインスパイアされた『猫町紀行』というエッセイを書いた。愛読している水木しげるのマンガ『河童の三平』にも猫町が出てきて、主人公の三平はその町の住人である猫達に囚われ、最後には命を落としてしまう。

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もしかしたら、青梅も不思議な猫町なのかもしれない。

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2005-11-15

昔みたい

休日。毎度のことながら、立川で映画。育った街、立川の映画館にこだわっているわけではなく、昨日は当館のお向かいの映画館で『ミリオンズ』を観た。でも、休みの日は映画館のある一番近い街として、立川を選んでしまう。それでも電車で30分かかるが。

今日観たのは『カーテンコール』。10時の初回。午前中の映画館は、子供の頃の学校行事〈映画教室〉を思い出させる。立川シネマシティは今でこそ立派なビルのシネコンになってしまったが、昔は軒を連ねた3つの映画館。朝早く、教師にゾロゾロと引率され、『砂の器』『男はつらいよ 寅次郎相合い傘』をここで観たことは懐かしい想い出。『カーテンコール』の上映中、しきりと〈映画教室〉にいるような錯覚にとらわれたのは、その内容があまりにも青少年の「情操教育」のカリキュラムにふさわしく感じられたせいかもしれない。

Photo_175 映画が終わって、〈映画教室〉から開放された私は、いつもの汚れた中年男に戻って、ラーメン屋で餃子2人前とビール。今日15日は餃子が150円のサービスデー。子供の頃からあるラーメン屋で、両親とよく食べに来た。外観も内装も当時のまま。モノレールが走るようになって激変してしまった立川の街で、私にとって懐旧の最後の砦のひとつ。

店を出て、しばらく散歩しようと思ったが、ビールですっかり冷え切ってしまった。いくら何でも、ビールの季節ではなかろう。さっさと帰るべく、駅へ踵を返した途端、目の前の曇り空にアドバルーンが2つ浮かんでいるのに気づいた。こんなものを見るのは何十年振りだろう? 私の酔眼は〈映画教室〉の頃の純な少年の目に戻り、しばし空を見上げた。

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2005-11-12

時計(その2)

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ついでだから、自宅にある唯一の時計の写真も。

私個人について何ら進歩もなく、その発想も後ろ向きだとの指摘があるとすれば、日々この逆回転時計を見上げることで、脳内トレーニングを重ねた意図的な結果です。

時計(その1)

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これは青梅駅のホームの時計。

昨夜はM社の皆様と、『オープン・ウォーター』の遅ればせながらの打ち上げ。せっかくなのでM社の女性お二人と「両手に花」写真を撮らせていただき、女っ気ゼロのこの日記に華やぎを添える予定だった。M社の営業のK嬢と元宣伝のK嬢も快く了承。でも、終わる頃には私も含め、誰も覚えちゃいないさ。やむなく女性から時計の写真に変更。

11時半近くに渋谷の店を出て、1時前にホームタウン青梅に到着。これでも、かなり早い方。乗り継ぎもスムーズにゆき、中央線の特別快速にも乗れ、しかも座れた。奇跡だ! しみじみ嬉しくて、到着直後に時計の写真を一枚。遠距離通勤者のささやかな喜び。     

 ≪特別付録

以前にも〈うらクイント〉へ掲載したが、『オープン・ウォーター』イベントにおけるタレントの安めぐみさんとのツーショット。まもなくDVDの発売となるが、特典映像にこの模様が入っていないとのこと! 打ち上げの席でその事実を聞かされた私は、ショックのあまり泣いて泣いて泣きじゃくった。あんまりなのでブログの特典映像として臆面もなく再掲載

Photo_162安めぐみ「金回りの悪い中年男性を見ると、ワタシ、放っておけないわ」
斎藤「あ、あなたは天使のような方だ!」

斎藤「吉野家の50円割引券を2枚持ってます。一緒に行きません?」
安めぐみ「あら、ワタシ、吉野家へ連れて行ってくれる中年男性を待っていたんです。だって、女の子ひとりでは入れませんもの、オホホホホ」

安めぐみ「“詩配人”って、大変なお仕事ですね」
斎藤「誰にでもできるような仕事とは違いますよ、カカカカカ」

安めぐみ「斎藤さんに溺れるゥ・・・!」
斎藤「安さんに溺れるゥ・・・!」

この詳細リポートは、バックナンバーから6/24(金)の日記まで根気良く逆上れば読むことができますが・・・

2005-11-10

東京タワーができるまで

休日。ワンパターンだが、立川で映画。今日は『ALWAYZ 三丁目の夕日』。原作のマンガは、コンビニで買って読んだことが。しみじみとしていて、古き良き日本映画の味わい。昭和レトロブームへの便乗か、やっぱり映画になった。

映画館へ時間ギリギリに到着したら、すでに満席で、指定席しか空いていないとのこと。料金2,300円と聞き、さすがに躊躇したが、次の回まで3時間近くある。やむを得ず指定席を購入。500円のドリンク・フードのサービス券が付いていたが、売店に立ち寄る時間はない。

水曜日のレディースディということもあって、場内は女性でいっぱい。しかも私よりはるかに年配のご婦人方ばかり。私がそこだけポッカリ空いた中央列の指定席に座ると、「あら、いいわねェ、あそこ指定席よ」とヒソヒソ声。とても観やすい位置なので、ちょっと良い気分。これが生涯二度目の指定席。初めての時は『炎のランナー』。その時も満席だったが、デートだったので奮発した。

映画が始まると、最新技術を駆使して往時を細やかに再現したシーンの連続に圧倒された。賛嘆の呟きが場内のあちこちから。薬師丸ひろ子もお母さん役が板に付き、往年の田中絹代みたいで素敵。ただ売れない作家兼駄菓子屋店主の茶川竜之介だけは、原作どおりの初老の男の方が相応しいように思える。あれでは情けなくて殴り飛ばしたくなる。何だか自分を見ているみたい。それはともかく、個人的には先日観た『空中庭園』の露悪的な家族より、完成したばかりの東京タワーの夕日に染まった偉容をしみじみ見つめる昭和33年の家族の方がよっぽど好きだ。

せっかくだから終映後に売店へ寄って、サービス券をホットドッグとコーヒーに引き換えてもらい、近くの児童公園のベンチでランチ。少し肌寒い。冬も間近だ。得意の「独り公園ピクニック」ができるのも、あとわずか。

帰り道、駅ビルの本屋をのぞいたら、〈冒険少年ブック〉というレトロチックな表紙の雑誌が売っていた。何のことはない、マンガ『三丁目の夕日』の選集。映画化を記念しての発行らしい。昭和43年〈小学二年生〉9月号付録の復刻、貯金箱付き東京タワーというのが気になって、定価1,580円と安くはないが、ついつい購入。思い起こせば、不器用さと根気のなさから、学習誌の付録の類をまともに作れたためしがなかった。というより、はめにくい紙製の付録を組み立てるのは、小学校低学年の子供には至難のワザ。さっそく帰ってからせっせと製作に励み、3時間かかって何とか東京タワーを完成させた。少年時代のやり残しを果たした爽快な気分。

Photo_156 ←やたら高くて、写真を撮るのも一苦労。置き場所を移したら、あちこちのパーツが外れてしまい、組み立て直すのも面倒なので、そのままゴミ箱へ直行。昭和は儚く消え去った・・・

2005-11-08

秋日和

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今朝7時の自室のベランダからの眺望。

これから秋の深まりとともに、山は鮮やかな錦の織物をまとい、川面にまでその豪奢な彩りを映してゆく。。自分の好みとしては、渋味と重厚さを増した樹々の緑に、僅かな紅と黄を散りまいただけの今が一番の見ごろ。

青梅の地に移り住んで、早や10年になる。米軍基地のあった歓楽街に近い、数分間隔で電車が走り抜ける踏切りの傍らで育ったせいか、ひたすら静謐な環境に憧憬を抱いてきた。この地に移ってから、深夜、布団の中で耳を澄ますと聴こえてくるものは川のせせらぎ、虫の声、そして微かな微かな振動音。これは地球や、満天の星々の動く音と勝手に解釈している。唯一の困った点は通勤時間が長いことだが、そのかわり存分に読書ができると自分を慰めてきた。

しかし、不思議なもので、環境に慣れ親しむと同時に飽きもくる。昨日、ユーロスペースで『空中庭園』を観ていたら、映画に登場する一家は観覧車が見える街に住んでいた。随所で挿入される観覧車はなかなかポエティックで、映画の象徴的な書割として、忘れがたい印象を残す。

そんなわけで、遊園地に近い、茜色の夕焼け空を背景にゆっくり回転してゆく観覧車が窓から見えるアパートの一室で暮らすことが目下の憧れ。人間、「終の棲家」なんてことは考えず、気分に応じて引越しを繰り返した方が楽しく生きられるのかもしれない。

Photo_152 ←話は変わるが、ベランダで指令を待つ私の部下(一人、死んでいます)

2005-11-04

復権! ジャック・ドゥミ

出勤前にBunkamuraル・シネマで『ロバと王女』を観る。以前、NHKで放送されたが、この映画の監督、ジャック・ドゥミの専売特許ともいうべき夢のような色彩美が、経年劣化ですっかり褪せてしまっていた。今回の上映はデジタルニューマスター版ということだが、期待していたほど鮮明な感じはしなかった。むしろ泰西名画のような落ち着いた色合い。これはこれで良いのだろう。

またまた「ポルノ支配人」のイメージが崩れるので書きたくないのだが、実はジャック・ドゥミ監督の大ファン。日本で公開されたものはテレビ放映も含め、どれも繰り返し観ている。先日もBOOK-OFFで『べルサイユのばら』のDVDまで買ってしまった。ただ、残念ながら国内未公開のものが多い。『シェルブールの雨傘』『ロシュフォールの恋人たち』だけが、ドゥミではあるまい。今回の『ロバと王女』のリバイバルを契機に、どこぞの配給会社さんがヌーヴェル・ヴァーグの真珠と呼ばれた『ローラ』のデジタル修復による再公開を始め、埋もれた作品の数々を発掘してくれたら嬉しいのだが。

この監督がある種「お子様ランチ」的な扱いを受けているのは、作品自体が玉石混淆ということもあるのかもしれないが、そのテーマというべき男と女の「めぐりあい」が気恥ずかしくも乙女チックで、時代遅れと見なされていたせいだと思う。だが、映画の嗜好は再びロマンティシズムを湛えたファンタジーへ向っている。久々に『ロバと王女』を再見して、ちっとも古びていないどころか、映画に「夢」を求めるなら、そのすべてがあった。

それにしても、映画はやはり休日か夜のためのもの。夢の続きを眠りの中に持ち込めるから。仕事前に観ても、その後に待ち受けている慌しい現実とのギャップに苦労するばかり。せめて雑事の合間に、こんな文章を書き散らして自分を慰めた。

Sn290005_1 ←自室の壁に飾ってある『ジャック・ドゥミの少年期』のスチール写真(右端がドゥミ)

2005-11-02

半分仕事で半分お散歩

銀座にて試写。休日だったが、気になる作品なので、私も参加。

終わって、皆で昼食。U社R氏が「何を食べたい?」と尋ねられたので、素直に「シチュー♪」と答え、有名なシチューの老舗銀乃塔に連れて行ってもらう。

Photo_128_1 ←スタッフTが撮ってくれました

皆で〈ミックスシチュー〉を注文。やはりトロトロに煮込んだ牛タンは格別。もちろんお値段の方も、昨日の麻婆豆腐の倍。上には上があるものだ。それにしても、銀座は美味い物に事欠かない街。ごちそうさまでした!

Photo_219_3 喫茶店でコーヒーを飲んだ後、皆と別れて地下鉄で根津へ。東大裏の弥生美術館に出向く。〈こどもパラダイス~1920-30's絵雑誌にみるモダン・キッズらいふ~〉が開催中。せっかくなので、隣接している竹久夢二美術館立原道造記念館の三館共通券1,100円を購入。

Photo_232 平日の午後のためか、他の客の姿もなく、館内はひっそり。展示してある大正~昭和初期の児童雑誌や絵本の挿画を見て回る。「ポルノ支配人」のイメージが崩れるので、あまり書きたくないのだが、武井武雄や初山滋の童画も立原道造の詩も好き。図録やら絵葉書やらを2千円近く買い込んでしまった。

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帰りは不忍池を通って、上野駅へ。上野界隈に馴染みはないが、不忍池だけは別。遠足や両親に連れられて動物園に行った際、必ず立ち寄った懐かしい場所。傾いた午後の陽射しの中、しばらく池の端のベンチで、買ったばかりの幾枚かの絵葉書を眺めて過ごした。

Sn290003_3 ←立原道造記念館で購入した絵葉書

2005-11-01

連れは掃除機

休日。立川で『コープス・ブライド』を観る。今日は〈映画の日〉で1,000円! 自分のところが〈映画の日〉だと、お客が入るわりにはあまり儲からないので嬉しくもないが、よそ様は別さ! 

映画に登場した死人の花嫁は、好みのタイプの女性。現実に現れたら困るけれど。冒頭の青い蝶は途中で行方不明になるが、「ラストで、また出てくるぞ」と思っていたら、案の定、華麗に再登場。

売店で花嫁のフィギュアが1,050円で売っていた。買おうかと思ったが、やめにした。今朝、部屋を掃除していたら、いきなり掃除機が止まった。スイッチを入れても作動しない。ゴムが焼けるような異臭がする。修理に出すより、買ったほうが早いし、安かろう。出費はいつも突然だ。無駄遣いしている状況ではなかった。

その家電店のカードポイントが溜まっていたので、嬉しいことに21,800円のものが半額以下。その後、DVD売り場をのぞいたら、懐かしの斎藤耕一監督『旅の重さ』3,990円を発見。ついつい調子にのって買ってしまう。

051101_122501 散財ついでに、駅ビルに入っている料理の鉄人で有名な陳健一氏の麻婆豆腐店でランチ。麻婆豆腐とご飯とスープとザーサイのセットで1,050円! いつもの3回分の食事代だ。渋谷にも氏の四川料理店があり、試写の後でご馳走してもらったことがあった。この麻婆豆腐も他の料理と一緒に皿へ小分けして皆で食べたのだが、その美味しさがどうしても忘れられず、たとえ値が張ろうとも独り占めして食べてみたかった。

ちょうど昼時だったので、店の前には行列ができていた。昔は列がなくなるまでどこかで時間をつぶしてきたが、今は面倒なのですぐに並んでしまう。それに買ったばかりの掃除機のダンボール箱が重かった。やがてカウンター席に案内されたが、足元に置いた箱がかさばって、他のお客も迷惑そう。

ここの麻婆豆腐はただ辛いだけでなく、味に何とも形容できない深みがあり、大いに満足。315円の杏仁豆腐もあったが、誘惑を振り切って店を出た。

秋晴れの気持ちの良い午後で、散歩を楽しみたかったが、掃除機のダンボール箱が邪魔。すべての用事を済ませてから買うべきだったと思っても、後の祭り。このように先を読めない性格を直すべく、将棋でも覚えようかと考える今日この頃だ。さっそく青梅に帰って、図書館で入門書でも借りてみようと、重いダンボール箱を左右の手に持ち替えながらヨタヨタと駅に戻った。

Photo_127←網棚に載せるのも一苦労・・・

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