嫌われ松子歌合戦
5月ロードショーの『嫌われ松子の一生』だが、関係者だけの上映会があった。もっとも、まだ完成しておらず、途中段階でのDVD上映。中島哲也監督は年末に『キング・コング』を観て、その最先端のCGテクニックに刺激され、さらなるバージョンアップに心血を注がれているとのこと。
『嫌われ松子の一生』というタイトルとCGは結びつかないかもしれない。原作も不幸で不器用な女性の波乱万丈の一代記といった趣だが、監督ご本人のシナリオを読んで吃驚。原作のプロットはそのままだが、「よくぞここまで!」と言えるくらい、夢とファンタジー溢れる世界に激変していた。
40%の仕上がりという先日の上映でも、主人公が教師からソープ嬢、刑務所暮らしを経て悲惨な死を遂げるまでの転落人生が、華麗なCGとアニメ、さらに歌でつないでゆくという、原作からは思いも及ばぬ大技を駆使して描かれており、そのめくるめく映像と心ときめく歌声の饗応に、観ている間は息をつく暇もないほど。そして最後は文字どおり「天に昇る」ような感動で締めくくられるという、圧倒的な2時間だった。会議室の小さな画面で観たのだが、それでも「映画の醍醐味」を十二分に堪能。おなかがいっぱいになった。完成したら、とてつもないことになるのではないか。
ところで先日の上映は、当然ながら映画館や試写室より音量が小さめ。一緒に観ている人達の笑ったり、泣いたりという生理的な反応がダイレクトに伝わってくる。特に私の前で観ていた女性スタッフT。映画を観ながら、よく泣くという話は聞いていたが、この日も随所で鼻をグズグズ。終盤になるにつれ、グズグズ音も盛大に。そのうち床に突っ伏して泣き崩れるのではとドキドキしたが、そこまで至らず、ガッカリ。そのかわり私までラストシーンでは涙が溢れ、エンドクレジットがよく見えなかった。体をモゾモゾ動したり、頭をボリボリ掻いたりして誤魔化したが、バレなかっただろうか?
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