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2007-06-22

神保町の熱い日

神保町に映画館がオープンするとのこと。休日だったが、内覧会へ散歩がてら出向いた。

神保町へは、いつもJR御茶ノ水駅から明大通りのゆるやかな坂をプラプラ下ってゆくが、この日は梅雨入りしたというのに真夏のような炎天。木陰が多いとちの木通りに逸れたせいで、アテネ・フランセの手前で女坂の石段を降り、錦華通りから駿河台下へという遠回りルートになる。

せっかくだから錦華通りにあるインドカレーのカーマでランチ。チキンカレーを食べる。この店はカレー激戦区神保町の中でも評価は上々だが、私の舌にはスパイシーというより少々しょっぱい。まあ、暑い日にはピッタリかも。

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↑同じ錦華通りにある浪漫ちっくなカトリック神田教会。ちょっと中を覗いてみたい・・・

その後、何軒か古本屋をひやかしてから、すずらん通りの横道に入って、7月14日オープンの神保町シアターに到達。古本屋だか喫茶店だかの脇の階段を下りたところにある、チンマリとオツな映画館をイメージしていたが、宇宙人の侵略基地みたいな外観。オープニング作品もポケモンのアニメ。レイトショーだけは川本三郎セレクションの古き良き日本映画とのこと。どうせなら昼間もその路線を押し通して、古本屋ならぬ古映画館を狙えばいいのに。

当日はジブリの短編アニメ『春のめざめ』を上映すると案内状にあったのに、スクリーンでは何故か『スターウォーズ』の大戦闘シーンがド派手に繰り広げられていた。それもすぐに終わり、スタッフが「ご希望の方がいれば、『春のめざめ』を上映します」なんて言っている。

とっても観たかったけれど、「ハーイ!」と手を挙げてアピールするのも恥ずかしい。他の招待客もゾロゾロ席を立ってゆく。つまらないので、早々に退散。

その後、日が暮れるまで古本屋街を徘徊。本&どーでもいいような物で散財。神田伯剌西爾でコーヒータイム。それから真夏の宵みたいな熱風に吹かれつつ九段下まで歩き、東西線とJRでホームタウン青梅にたどり着くと、すっかり深夜。携帯電話もパソコンもいらないから、〈どこでもドア〉ばりの長距離短時間移動装置(低価格)を誰か開発してくれないかしら。

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↑ちなみに本とともに散財したのは、〈ちびくろさんぼ ぬいぐるみSサイズ〉と青林工藝舎製〈鈴木翁二イラスト缶バッチ〉

2007-06-16

今日は初日さ! その2

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   上は渋谷パルコの壁に描かれた『キサラギ』のビジュアル。

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   映画が終わって、お目当てのキャストを撮影するお客様。

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   あれま、香川照之さんの額に吹き出物が・・・!?

今日は初日さ! その1

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本日公開の『キサラギ』舞台挨拶&囲み取材の真っ最中!

遠慮深いタチなので、陰からコソコソ撮影。

近日中にちゃんとしたものを当HPにて掲載しますね!

2007-06-09

笑ほど素敵な商売はない

ここ2週間で映画をいろいろと観た。ざっと書き出すと『恋愛睡眠のすすめ』『ラブソングができるまで』『主人公は僕だった』『赤い文化住宅の初子』『歌謡曲だよ、人生は』『しゃべれども しゃべれども』『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド』『神童』等々。レンタルしたDVDも加えれば、もっと増える。まあ、連日連夜、何館もハシゴして、ひたすら映画を観ていた学生時代とは比べようもないが。

気づいていない人も多いだろうから敢えて書く。実を言うと、私は短所より長所を重んじるタイプ。映画だって印象的なシーンがひとつふたつあれば、欠点なんて帳消し。どんなものだって名作・傑作。素直に「ああ、面白かった♪」と席を立てる。

先日、セロ弾きのゴーシュの噺家版みたいな『しゃべれども しゃべれども』を観ていたら、かつての職場、浅草演芸ホールの客席やロビーが映った。それだけで懐かしさに目がウルウル。同ホールが登場したはずと思い込み、森田芳光監督『の・ようなもの』のDVDをちょっと前に購入したのだが、出てきたのは新宿の末広亭。それでガッカリしたばかりなので、感激もひとしお。肝心の映画の中身も、軽佻浮薄に見える落語と、人の心の奥底に秘められた屈託という両極の要素を巧みに結び付けていて、なかなか陰影に富んだ仕上がり。

「落語と屈託」で思い出したが、寄席に勤めていた頃、一度だけ噺家さんに飲みに誘われたことが。寄席がはねてから電車がなくなるまで浅草界隈を飲み歩いて、その噺家の部屋に泊まった。酔っ払っていたので定かではないが、何でも亡くなった師匠の住まいだったという寺の敷地内の一角。江戸情緒を体現する商売だとしても、そこまで徹底するかしら? 兎に角、風情のある日本家屋だったことは確か。

件の噺家さんは、当時二つ目。二つ目ながらテレビにひっぱりだこの売れっ子もいないことはないが、彼はその範疇ではなかった。酔うにつれ、自分の屈託した胸の内を吐露し始め、「売れないのは世間のせい? それとも本人のせい?」といった意味のことを聞いてきた。

私のような若造の従業員を誘うくらいだから、人懐っこくて面倒見が良いには違いないが、少々禿かかった額&薄い唇といった辛気臭い外貌が、人気者に成り上がるにはネックになると思われ、率直に「本人が悪いのでは・・・」と答えてしまった。

これには当時の私自身の屈託も含まれていた。〈にっかつロマンポルノ〉のシナリオの仕事にありつけたまではラッキーだったが、後が続かなかった。私より少し前にデビューした同じ20代女性ライター達は2本目、3本目が映画化され、ついにテレビにまで進出。果ては男性週刊誌に「ロマンポルノの若手女性ライター達、脱ぐ!」といった具合に、貧相なヌードまで臆面もなく披露していた。

なりふり構わぬ女性パワーには圧倒されたが、私の売りは下手糞な字で書き綴った原稿用紙の束だけ。にっかつの企画部に何本か持ち込んでみたが、持ち前の引っ込み思案から「読んだ」と連絡をもらっても顔を出さなかったりと、売り込みにも消極的。見かねた先輩や友人達が世話してくれたプロット書きの仕事を細々とこなしながら、長期戦覚悟でサラリーマン(寄席とストリップの会社だけど)との二束のワラジを履いたばかりだった。

あれから20数年。私は相変わらず長期戦をキープ。女性ライター達については、名前を見なくなって久しい。一緒に酔っ払って屈託した話を繰り広げた噺家は、その後真打に昇進。ただ、知る人ぞ知るといったポジションだけは変わっていない。

それでも、噺家本人の屈託とは関わりなく、その口から飛び出した登場人物達のフワフワ漂う生き方は魅力的。私と同類のワーキングプアであっても、〈八つぁん〉〈熊さん〉〈与太郎〉みたいにノホホンと好き放題に生きられたなら、どんなに幸せだろう。

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